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みことばの糧3

機会を十分に活かして生きる

ですから、自分がどのように歩んでいるか、あなたがたは細かく注意を払いなさい。知恵のない者としてではなく、知恵のある者として、機会を十分に活かしなさい。悪い時代だからです。

エペソ5:15~16

 機会を十分に活かして生きることができるならば、私たちの人生は幸いで豊かなものになります。良い状況でも、悪い状況でもです。聖書は、「知恵ある者として、機会を十分に活か」せと教えます。あなたにとって知恵とは何でしょうか。パウロがここで言っているのは、キリストに照らされた知恵のことです(5:14)。その知恵によって、「主のみこころが何であるかを悟」るようにとパウロは勧めます(17節)。その「みこころ」について、ここでパウロは大きく分けて二点を伝えています。第一にパウロは、この知恵のもたらす喜びを示します。この世は、しばしば「ぶどう酒に酔」うに代表される喜びを求めます。現実と切り離して、自分の感情だけを解放し、一時の楽しみに浸る喜びです。けれども、キリストを信じた者は、「御霊に満たされ」(18節)、「詩と賛美と霊の歌をもって互いに語り合」う喜びを持つことが出来ます(19節)。詩篇の記者は、詩篇の中で厳しい、理不尽な現実の中でうめきつつ、喜びを見出します(詩篇42篇等)。聖書は、理不尽で困難な世の中でも、いかに神が力強く働いておられるかを私たちに証ししてくれるからです。とくに十字架にかかられ、死に勝利されたキリストが、私たちにこの喜びを確証させてくれます。そこには、喜びだけでなく、感謝も生み出されてきます(20節)。キリストの光がもたらす知恵は、このような喜びと感謝を見出す知恵です。

 さらに、パウロは、21節で「キリストを恐れて、互いに従い合いなさい」とも教えます。ローマの支配を受け、「従う」ことに負のイメージしか持たなかったエペソ人。けれども、イエスは、ローマの支配下、さらにパリサイ人といった聖書を曲げてしまう権力者の支配の中でも、世の教えの間違いを指摘しつつも、ご自分は反抗せず、神に従い、喜びと勝利を得て、父なる神からの報いを豊かに受けられました。神からの知恵は、「従う」ことにも価値と喜びを見出します。

 聖書は、このような機会を十分に活かす(直訳は「買いとる」)ことを勧めています。御言葉を信じて、理不尽な現実のなかで喜びを見出すこと、主人に従い仕えることは、犠牲を払っても、勝ち取るほどの価値があると教えています。それは、この世の知恵と異なるかも知れません。しかし、キリストを信じることによる救いはこの知恵を私たちに与えます。そして、この知恵によって生きている人、機会を十分に活かして生きている人こそ光の道を歩む人、幸いな人だと聖書は教えています。このような生き方を求めて行こうではありませんか。